原油の価格は2002年夏頃まで1バーレル20ドル前後と低迷していたが、アメリカのイラク侵攻の可能性が高まったことで上昇に転じた。主要産油国であるイラクが石油輸出できなくなることで、供給量が減少することが予想されたためである。2003年春の開戦直前には1バーレル40ドルの高値を付けたが、早期に戦争が終結するとの予想から下落に転じた。
しかし、米軍のバグダット占領後もイラク国内でゲリラ的抵抗が続き、その結果としてイラクの原油輸出が大幅に遅れたため再び上昇に転じ、さらに今では石油輸入国となった中国の石油需要が高まったことで、原油価格が下がりにくくなった。また主要産油国であるロシアの大手石油会社ユコスに倒産の可能性が高まったことから高値がつき出し、ハリケーンによってアメリカの精油所が被害を受けたこと、産油国ナイジェリアの反乱が拡大したことなどが原因で、2004年9月28日にニューヨーク商業取引所で標準原油価格が1バーレル50ドルを突破し、史上最高値を更新し続けている。
現在は株式市場の低迷によって行き場を失ったヘッジファンドの資金が先物市場に流入しているほか、中国の原油需要がますます増大していることも原油価格高騰の要因とされている。